ジャンル:咲-Saki- お題:フハハハハ!それはぬめぬめ 必須要素:インドカレー 制限時間:1時間 読者:415 人 文字数:1908字 お気に入り:0人
[削除]

カオスの深淵とか割と気軽に覗ける

「ねぇ誠子ちゃん、一つ頼みごとがあるんだけど」

「…………なんでしょうか」

「? なんでいきなり敬語になったの?」

「いや、なんとなく良い予感がしなかったからなんだけどね」

「ははは、多分気のせいだよ、うん」

「うわー凄い自信満々に言い切られた」


……私を期待の眼差しで見つめる彼女、渋谷尭深は戦友であり、親友だ。
普段ならこんな改まるまでもなく、お互いに言いたいことを言い合う仲である。

つまり、これから切り出される”頼みごと”とは、前置きを挟まなくてはいけないほどの「何か」であるということだ。

…………正直逃げたい。


「ダメカナ?」

「ダメダヨ」

くそっ、色々と読まれてる。心とか。


「……はぁ、一体何事? 出来るなら、明日の練習に差支えない感じにしてほしいんだけど」

「やだなぁ、そんなに大変なお願いじゃないよ、料理の味見をしてほしいってだけ」


私でもそう何度も見たことがないような、輝く笑顔で言い放つ尭深。
だが、私は見逃さなかった。見逃しておきたかった。


彼女の眼鏡の奥で、底知れぬ闇のオーラが渦巻いている様を。


「料理の味見、ねぇ…… また創作料理でもしたの?」

「さすが誠子ちゃん、分かってるね」

「いや、前に尭深が作ったスムージー、控えめに言ってひどかったじゃん」

「グリーンスムージーがあるならイエローがあってもいいよね」

「あれ飲んでムーンサイドばりのトラウマ体験してるんだけどね私」


軽口を叩きながら、油断なくじりじりと逃走経路をうかがう。

だが、扉との間はすでに尭深に塞がれている。
腰が低く入ったいいディフェンスだ。なかなか鍛えられている。仙道か。


「……はぁ、分かったから、早く食べさせてよ」

「ふふ、最終的にはノってくれるから好きだよ誠子ちゃん」

「ノってるんじゃなくて逃げ場を塞がれてるんだけどなー……」

「今日はカレーだよ、インドカレー」

「ふーん、インドカレーってことは、色々ごった煮スパイスってことなの?」

「そうそう、最近誠子ちゃん疲れ気味みたいだったからね、元気になってもらおうと」

「え、気付いてたのか…… なんだか恥ずかしいな」

「スタミナの元であるオクラとか納豆とかめかぶとか色々入れてみたんだよ」

「うん、ちょっと待とうか」

「フハハハハ!題してぬめぬめ天国&地獄カレー!!!」

「待ってって言ってるでしょ! っていうかなんで地獄要素入れちゃったの!!?」


まずい、尭深のテンションがアゲアゲ状態になっている。
というかふははははて。マッドサイエンティスト以外の何物でもないぞそれ。


……彼女はたまにこうして奇想天外ラクガキ無用な料理を作りたがる悪癖があったりするのだ。
別に作るだけならまぁ、別にまぁ、最悪いいのかもしれないが、その悪魔合体させた料理の主な被害者たる私にとってしてみれば、この定期イベントはたまったものではない。

たまには淡とかにも食べさせればいいのに、なぜか彼女はいつも毒見役に私を指定してくる。
それが彼女の親愛の証といえば聞こえはいいのだが。
ちょっと友情の形を再確認する必要はあるかもしれない。


「はい、誠子ちゃん、召し上がれ」

「うわー、まじかー…………」

「美味しそうではないかもしれないけど、食べられる食材しか使ってないから」

「せめてもうちょっと食欲が湧く口上を考えてほしかったな」

「はい、あーん」

「」


スプーンの上には混沌しか広がっていない。
まさにカオス。世界中の宇宙物理学者が求めてやまない暗黒物質はここにあった。


……こうなったら覚悟を決めるしかないか。


「……よし…………」


弘世先輩、先立つ不孝をお許しください。
宮永先輩、お菓子が切れたら戸棚の上のお煎餅持ってってくださいね。
淡、あんまり眉毛のこと気にし過ぎると今度は生えてこなくなるから気をつけろよ。


「あ、あーん……」

「…………どう?」






「あ、あれ、普通に……食べられる……?」

「でしょ?」

「まったりしてなくて、それでいてしつこい感じだけど、スパイスが効いているから味は普通のカレーみたいだ」

「やっぱりカレーの包容力は凄いよね」

「食感は最悪だけどな…… これ以上ない程にぬめってるから……」

「玉ねぎとか素で糸ひいてたからね、他のぬめぬめの食材とうまくハマってくれると思ったんだ」

「…………え?」

「え?」

「…………」

「…………」

「腐ってんじゃん! そんなの食わさないでよ!」

同じジャンルの似た条件の即興二次小説


ユーザーアイコン
作者:アーツ ジャンル:咲-Saki- お題:フハハハハ!それはぬめぬめ 必須要素:インドカレー 制限時間:1時間 読者:421 人 文字数:1462字 お気に入り:0人
夏の日差しを反射するような白い制服を身に纏った女子高生が三人。アスファルトが熱を反射する炎天下の中を歩きながら、取り留めのない会話をしながら歩いていた。時折笑 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雪うさリボン ジャンル:咲-Saki- お題:フハハハハ!それはぬめぬめ 必須要素:インドカレー 制限時間:1時間 読者:416 人 文字数:2772字 お気に入り:0人
揺杏「おっすー……ってなんだこれ!?」爽「おー、揺杏やっと来たか! 助けてくれ!」揺杏「……見るからに面倒くさそうなんだけど一応聞くぞ」爽「おう!」揺杏「何だ? 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨七 ジャンル:咲-Saki- お題:フハハハハ!それはぬめぬめ 必須要素:インドカレー 制限時間:1時間 読者:494 人 文字数:2059字 お気に入り:0人
ふわり、と髪を揺らすそよ風。冬の早朝の澄んだ空気が私、加治木ゆみの鼻孔をくすぐった。「んん……」 大きくひとのび。狭いテントの中で一晩中ちぢこまっていた身体を 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:愚図 ジャンル:咲-Saki- お題:おいでよマンション 必須要素:インドカレー 制限時間:15分 読者:321 人 文字数:469字 お気に入り:0人
「ただいま……」マンションの一室、連日の勤務と残業に追いやられた竹井久は無気力に革靴を脱ぎ捨てては、おぼつかない足取りでリビングに向かった。「んグッ!んグッ!」 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:すかい「文章」ギオン ジャンル:咲-Saki- お題:おいでよマンション 必須要素:インドカレー 制限時間:15分 読者:396 人 文字数:978字 お気に入り:1人
極道組織・辻垣内組。薬物や売春に手を出していないクリーンな極道であり、その収入源は主に土地転がしである。今、特に力を入れているのが、再開発されてきている某ベッド 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:けすけ ジャンル:咲-Saki- お題:僕が愛した母性 必須要素:インドカレー 制限時間:15分 読者:538 人 文字数:878字 お気に入り:0人
「良子ちゃん、今日の晩ご飯は何かな~?」正味な話、台所から漂う芳醇な匂いがほぼその答えなのだが、私は敢えて分からない体を装い、良子ちゃんにそれを聞いてみた。「今 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:すかい「文章」ギオン ジャンル:咲-Saki- お題:わたしの嫌いな時雨 必須要素:全力のグロテスク 制限時間:1時間 読者:744 人 文字数:2571字 お気に入り:0人
雨は嫌い。あの日のことを思い出すから。雨は嫌い。築き上げたものを押し流すのに、それでも本当に消したいものは消してくれないから。あの日、地面に打ち捨てられたお揃い 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:さいふぁ ジャンル:咲-Saki- お題:わたしの嫌いな時雨 必須要素:全力のグロテスク 制限時間:1時間 読者:431 人 文字数:1351字 お気に入り:0人
紅が散り、霧雨が降る。 秋は嫌いだ。いやが応にも目に付く紅葉も、気まぐれに降る時雨も、私の忌まわしい記憶を掘り起こすから。 思い出したくもないことを。脳裏にこ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:雨七 ジャンル:咲-Saki- お題:わたしの嫌いな時雨 必須要素:全力のグロテスク 制限時間:1時間 読者:741 人 文字数:1664字 お気に入り:0人
窓の外でざあざあと降りしきる雨の音を耳に入れながら、私は今日何度目かの溜息を吐いた。視線の先には旅行鞄。昨晩、たっぷりと時間をかけて吟味したキャンピングセット 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:サムライ@咲-saki-アカ ジャンル:咲-Saki- お題:最弱の暴力 必須要素:ビール 制限時間:1時間 読者:1363 人 文字数:2156字 お気に入り:0人
私、野依理沙は口下手である。別段語彙が少ない訳でも無く、まぁ年相応の語彙力は有るつもりだ。ただ…美咲「あ、野依プロお疲れ様です」野依「お…お疲れ!」ぷんすこ!極 〈続きを読む〉

匿名さんの即興 二次小説


ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:A3! お題:夜と深夜 必須要素:400字以内 制限時間:2時間 読者:7 人 文字数:400字 お気に入り:0人
鶯色の瞳が不思議そうに私を見つめている。今日は厄日か?そう思わずにはいられない。 今日の酒は不味かった。仲良くもない同僚と楽しくもない陰口。それらと共に飲む好 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:遊戯王ARC-V お題:フハハハハ!それは国 制限時間:30分 読者:12 人 文字数:770字 お気に入り:0人
※ユーゴ視点。統合後の話。一人の人間の中。それは一つの国のようでもあった。「すごいよこれ、ちょっとこれ見てよユーゴ」そう言いユーリは俺の前に一つの植木鉢を差し出 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:遊戯王ARC-V お題:春の誰か 制限時間:1時間 読者:14 人 文字数:1036字 お気に入り:0人
遊矢は皺一つない制服に腕を通す。まだピンと張りの強いそれは今日から中学生としての生活が始まる象徴だ。鏡で自分の姿を確認する。これからまだまだ背が高くなるのだから 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:Fate/Grand Order お題:僕の好きな消しゴム 制限時間:30分 読者:38 人 文字数:1515字 お気に入り:0人
王子!と呼び止める者のあるのを、分かっていて、聞こえていてヘクトールは走った。急いでいたからだった。手には熟れた実を一つ握りしめている。呼ぼうとして名前をうま 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:千銃士 お題:汚い土地 必須要素:右肩 制限時間:1時間 読者:11 人 文字数:438字 お気に入り:0人
世界帝による圧政が続く中 自由、尊厳を求め立ち上がったレジスタンスしかし武力の差は大きく レジスタンスを掃討すべく放たれた新型兵器により土地は穢れ レジスタンス 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:少女☆歌劇レヴュースタァライト お題:どす黒い犬 必須要素:武田鉄矢 制限時間:1時間 読者:15 人 文字数:1886字 お気に入り:0人
リビングのテレビをつけると随分と懐かしいドラマを放送していた。今後の参考にでもと思い、そのままソファに居座ると、どこからともなく甘い香りを漂わせたルームメイトが 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:テニスの王子様 お題:3月のサッカー 制限時間:15分 読者:11 人 文字数:636字 お気に入り:0人
「おかしいくないっすか」 四月を目前にして、まだ冬の名残のある風に自分で暖を取ろうと肩を竦めて自分を抱きしめる。どちらかというと暑さよりは寒いほうに強いが、それ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:咲-Saki- お題:めっちゃ木 必須要素:甘栗 制限時間:30分 読者:34 人 文字数:801字 お気に入り:0人
「甘栗食べたくない?」「食べたいけど何?山から栗拾ってきたの?」秋のしずは毎日のように山へ行く。栗拾いにキノコ狩り、紅葉狩りetc..秋の山には食材がたっぷりあ 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:咲-Saki- お題:めっちゃ木 必須要素:甘栗 制限時間:30分 読者:38 人 文字数:934字 お気に入り:0人
「ねえねえすこやん。すこやんの高校時代の文学祭の映像見たんだけどさ」「…は?」正直こーこちゃんが言ってることが理解できなかった。どうして彼女が私の高校時代の映像 〈続きを読む〉

ユーザーアイコン
作者:匿名さん ジャンル:咲-Saki- お題:大人の魚 必須要素: 制限時間:30分 読者:35 人 文字数:1140字 お気に入り:0人
「小鍛冶プロは出世魚ってご存知ですか?」隣で一緒に水槽を眺めている赤土さんがそう呟いた。今日は対局や解説もない普通の休日でこーこちゃんもお仕事だしお家でノンビリ 〈続きを読む〉