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カオスの深淵とか割と気軽に覗ける

「ねぇ誠子ちゃん、一つ頼みごとがあるんだけど」

「…………なんでしょうか」

「? なんでいきなり敬語になったの?」

「いや、なんとなく良い予感がしなかったからなんだけどね」

「ははは、多分気のせいだよ、うん」

「うわー凄い自信満々に言い切られた」


……私を期待の眼差しで見つめる彼女、渋谷尭深は戦友であり、親友だ。
普段ならこんな改まるまでもなく、お互いに言いたいことを言い合う仲である。

つまり、これから切り出される”頼みごと”とは、前置きを挟まなくてはいけないほどの「何か」であるということだ。

…………正直逃げたい。


「ダメカナ?」

「ダメダヨ」

くそっ、色々と読まれてる。心とか。


「……はぁ、一体何事? 出来るなら、明日の練習に差支えない感じにしてほしいんだけど」

「やだなぁ、そんなに大変なお願いじゃないよ、料理の味見をしてほしいってだけ」


私でもそう何度も見たことがないような、輝く笑顔で言い放つ尭深。
だが、私は見逃さなかった。見逃しておきたかった。


彼女の眼鏡の奥で、底知れぬ闇のオーラが渦巻いている様を。


「料理の味見、ねぇ…… また創作料理でもしたの?」

「さすが誠子ちゃん、分かってるね」

「いや、前に尭深が作ったスムージー、控えめに言ってひどかったじゃん」

「グリーンスムージーがあるならイエローがあってもいいよね」

「あれ飲んでムーンサイドばりのトラウマ体験してるんだけどね私」


軽口を叩きながら、油断なくじりじりと逃走経路をうかがう。

だが、扉との間はすでに尭深に塞がれている。
腰が低く入ったいいディフェンスだ。なかなか鍛えられている。仙道か。


「……はぁ、分かったから、早く食べさせてよ」

「ふふ、最終的にはノってくれるから好きだよ誠子ちゃん」

「ノってるんじゃなくて逃げ場を塞がれてるんだけどなー……」

「今日はカレーだよ、インドカレー」

「ふーん、インドカレーってことは、色々ごった煮スパイスってことなの?」

「そうそう、最近誠子ちゃん疲れ気味みたいだったからね、元気になってもらおうと」

「え、気付いてたのか…… なんだか恥ずかしいな」

「スタミナの元であるオクラとか納豆とかめかぶとか色々入れてみたんだよ」

「うん、ちょっと待とうか」

「フハハハハ!題してぬめぬめ天国&地獄カレー!!!」

「待ってって言ってるでしょ! っていうかなんで地獄要素入れちゃったの!!?」


まずい、尭深のテンションがアゲアゲ状態になっている。
というかふははははて。マッドサイエンティスト以外の何物でもないぞそれ。


……彼女はたまにこうして奇想天外ラクガキ無用な料理を作りたがる悪癖があったりするのだ。
別に作るだけならまぁ、別にまぁ、最悪いいのかもしれないが、その悪魔合体させた料理の主な被害者たる私にとってしてみれば、この定期イベントはたまったものではない。

たまには淡とかにも食べさせればいいのに、なぜか彼女はいつも毒見役に私を指定してくる。
それが彼女の親愛の証といえば聞こえはいいのだが。
ちょっと友情の形を再確認する必要はあるかもしれない。


「はい、誠子ちゃん、召し上がれ」

「うわー、まじかー…………」

「美味しそうではないかもしれないけど、食べられる食材しか使ってないから」

「せめてもうちょっと食欲が湧く口上を考えてほしかったな」

「はい、あーん」

「」


スプーンの上には混沌しか広がっていない。
まさにカオス。世界中の宇宙物理学者が求めてやまない暗黒物質はここにあった。


……こうなったら覚悟を決めるしかないか。


「……よし…………」


弘世先輩、先立つ不孝をお許しください。
宮永先輩、お菓子が切れたら戸棚の上のお煎餅持ってってくださいね。
淡、あんまり眉毛のこと気にし過ぎると今度は生えてこなくなるから気をつけろよ。


「あ、あーん……」

「…………どう?」






「あ、あれ、普通に……食べられる……?」

「でしょ?」

「まったりしてなくて、それでいてしつこい感じだけど、スパイスが効いているから味は普通のカレーみたいだ」

「やっぱりカレーの包容力は凄いよね」

「食感は最悪だけどな…… これ以上ない程にぬめってるから……」

「玉ねぎとか素で糸ひいてたからね、他のぬめぬめの食材とうまくハマってくれると思ったんだ」

「…………え?」

「え?」

「…………」

「…………」

「腐ってんじゃん! そんなの食わさないでよ!」

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