ジャンル:Undertale お題:凛としたオンラインゲーム 制限時間:30分 読者:834 人 文字数:1072字 お気に入り:0人

ゲームは1日1時間まで ※未完

サンフリ

「あぁもう!」
失敗した。ゲーム機を投げ捨ててソファに埋もれる。これで14回目の失敗だ、もういっそ難易度を変えてしまおうか、ああでもそれは何となく嫌だなぁ。ゲームのやり過ぎで思考さえも曖昧になる。
流行ってるんだ、とモンスターキッドが貸してくれたゲームはシンプルな割に奥が深く、気が付けば随分と頭を使っていた。まだプレイしてはいないが、オンライン上でユーザーが公開しているステージなんかはもう難しいというより鬼畜という言葉が似合うらしい。
「珈琲でも飲んで少し休んだらどうだ?」
テーブルにマグカップを2つ置いて、サンズは笑いながら私の隣に座る。そして暫く興味深そうにゲーム画面を見つめて黙り込んでしまった。試しにゲームを差し出してみると、サンズはそれを受け取りポチポチと操作しはじめ……
「……うっそだぁ」
「人を見かけで判断しちゃいけないんだぜ、小僧」
投げ返されたゲームの画面を華々しく飾る"Congratulation"の文字が少し憎たらしい。私が何時間もかけて出来なかったのに、サンズはあっという間にクリアしてしまった。クリアした本人はもうゲームへの興味を失ったのか、珈琲を啜りながら詰まらなそうにテレビ番組を見ている。つられて同じ方向を見やると、今はクイズ番組の時間の様だった。次々に画面に出てくる問題を、サンズは悩む素振りすら見せずに淡々と解いていく。
「何でそんな簡単に解けるの?」
少し唇を尖らせて問うと、サンズはケラケラと笑いながらリモコンを手に取りテレビの電源を消す。どうやら、クイズ作家が必死に考えた問題すらも彼の興味を引き留めることは出来ないようだった。静まり返ったリビングは、私とサンズの呼吸音だけしか聞こえない。その後、サンズはゆっくり口を開いた。
「"経験値"が違うのさ。……ところで、話は変わるが」
そのゲームに、俺を放ったらかしてまでご執心する価値はあったのか?
ぐるりと動いた視界に、私の目は対応出来ない。次に目が焦点を当てたのは、視界を大きく埋める骸骨の青く光る眼と、随分と通い詰めた家の天井だけ。
「あったって言ったら、どうするの」
苦し紛れの虚勢は、通用しない。分かりきっているのに止められないのは、私の経験値が足りないからなのか。掴まれた手首を動かそうと抵抗するのも、頬に熱が集まってしまうのも、きっとそうなのだろう。
「嘘つきは針を目玉に刺さなきゃいけないんだぜ」
私の左目をそっと擦りながら、サンズは楽しそうに呟く。それもありかもなぁ、と思ったと言ったら、この人はどうするんだろう。

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